○横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例
平成28年12月22日
条例第62号
横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例をここに公布する。
横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例
横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例(平成7年3月横浜市条例第19号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、狭あい道路の整備を促進するため必要な事項を定め、その幅員と通行に支障のない形状を確保することにより、安全で良好な住環境の形成及び災害に強いまちづくりに寄与することを目的とする。
(1) 狭あい道路 幅員4メートル未満の道で、一般交通の用に供されているものをいう。
(2) 整備促進路線 日常生活に使用される狭あい道路のうち、地域の安全性及び利便性並びに消防活動及び救急活動を考慮した道路ネットワークを形成するもので、第8条第1項の規定に基づき指定されたものをいう。
(3) 建築主 狭あい道路に接する土地において建築物を建築しようとする建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第2条第16号の建築主をいう。
(4) 関係権利者 狭あい道路に接する土地について所有権、賃借権、地上権その他の土地を使用する権利を有する者で建築主以外のものをいう。
(5) 建築主等 建築主及び関係権利者をいう。
(6) 設計者等 法第2条第11号の工事監理者、同条第17号の設計者、同条第18号の工事施工者及び建築主等の代理人をいう。
(7) 指定確認検査機関 法第77条の21第1項の指定確認検査機関をいう。
(8) 後退用地 狭あい道路に接する土地で、当該狭あい道路との境界線とその狭あい道路の中心線からの水平距離が2メートルの線(市長が特に必要と認めて2メートル以上の距離を指定した場合はその指定した距離の線とし、法第42条第2項ただし書の規定に該当する場合は崖地等の道の側の境界線から道の側に水平距離4メートルの線とする。以下「後退線」という。)との間にあるものをいう。
(9) すみ切用地 狭あい道路の後退線が、他の狭あい道路の後退線又は幅員4メートル以上の道の境界線と交わる箇所の角地の隅角を挟む2辺を含む土地で、規則で定める範囲のものをいう。
(10) 整備支障物件 後退用地内及びすみ切用地内にある塀、門、樹木、給排水管その他これらに類する物で、狭あい道路の整備の支障となるものをいう。
(11) 整備行為 後退用地又はすみ切用地(以下「後退用地等」という。)を縁石等によりその位置を明確にするとともに、狭あい道路と同等に舗装すること及び当該舗装に際し整備支障物件を除去し、若しくは移設し、又は擁壁を除去し、若しくは築造することをいう。
(12) 支障物 車両等の通行の支障となるもののうち、規則で定めるものをいう。
(13) 路線型整備 整備促進路線の路線ごとに、その一定区間を一斉に整備することをいう。
(平30条例51・一部改正)
(市長の責務)
第3条 市長は、この条例に基づく狭あい道路の整備の促進に関する施策について普及を図るとともに、整備促進路線の指定、後退用地等の維持管理に関する指導その他のこの条例の計画的な運用に努めなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、横浜市が実施する狭あい道路の整備の促進に関する施策及び近隣において行われる整備行為に協力するよう努めなければならない。
(建築主等の責務)
第5条 建築主等は、狭あい道路の整備行為を行うよう努めなければならない。
2 建築主等は、整備行為を行うに当たり、狭あい道路及び後退用地等を、歩行者、車椅子及び車両等の通行に支障のない平坦な道路形態に整備するよう努めなければならない。
(設計者等の責務)
第6条 設計者等は、狭あい道路の整備行為の必要性を理解し、その実施に協力しなければならない。
(指定確認検査機関の責務)
第7条 指定確認検査機関は、狭あい道路の整備行為の必要性を理解し、その実施に協力しなければならない。
(整備促進路線の指定及び廃止)
第8条 市長は、狭あい道路のうち、特に整備の促進を図る必要があると認めるものを整備促進路線として指定することができる。
2 市長は、前項の規定により指定した整備促進路線のうち、整備が完了したもの及び整備の必要がなくなったと認めるものについて、指定の廃止をすることができる。
3 整備促進路線の指定及び指定の廃止は、告示することにより行うものとする。
(協議の対象)
第9条 整備促進路線のうち、法第42条第2項に規定する道路(以下「2項道路」という。)に接する土地において、次のいずれかの行為を行おうとする建築主等は、市長と協議しなければならない。
(1) 法第6条第1項及び第6条の2第1項(同法第88条第1項及び第2項において準用する場合を含む。)の規定に基づく確認の申請
(2) 都市計画法(昭和43年法律第100号)、法、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)、横浜市建築基準条例(昭和35年10月横浜市条例第20号)及び横浜市地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例(平成3年12月横浜市条例第57号)の規定に基づく認定又は許可の申請のうち、規則で定めるもの
4 整備促進路線以外の2項道路のうち、次のいずれにも該当する道路に接する土地において確認申請等を行おうとする建築主等で、補助金交付等の申請を行おうとするものは、市長と協議しなければならない。
(1) 道路とその道路に接する土地との境界が確定している道路であること。
(2) 道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項の道路であること。
(3) 規則で定める要件に該当する道路であること。
5 整備促進路線以外の狭あい道路のうち、規則で定めるものに接する土地において確認申請等を行おうとする建築主等で、補助金交付等の申請を行おうとするものは、市長と協議しなければならない。
6 市長は、必要があると認めるときは、整備促進路線に接する土地の関係権利者に対し、整備行為について協議を申し入れることができる。
7 前項の規定による申入れを受けた関係権利者で、補助金交付等の申請を行おうとするものは、市長と協議しなければならない。
(協議の手続)
第10条 前条の協議は、次に掲げる事項について行うものとする。
(1) 後退用地等の範囲に関すること。
(2) 後退用地等の舗装及び管理を実施する者に関すること。
(3) 後退用地等の権原に関すること。
(4) 整備行為に係る補助金に関すること。
(5) その他市長が必要と認める事項
2 市長は、前項各号に掲げる事項のうち、不要と認めるものに係る協議を省略することができる。
3 前条の協議は、確認申請等のいずれかを行おうとする日(これらのうち2以上に該当する場合は、最も早いものを行おうとする日)の30日前までに行わなければならない。
4 市長は、前条の協議が開始された後、規則で定める期日までに協議を成立させるよう努めるものとする。
(後退用地等の買取りの協議)
第11条 市長は、整備促進路線に接する後退用地等のうち、規則で定める要件に該当する角地その他の規則で定める後退用地等について、建築主等から買取りの申出を受けて特に必要があると認める場合には、整備行為が完了した後の当該後退用地等の買取りの協議を行うことができる。
2 前項の協議について必要な事項は、規則で定める。
(測量等の手続)
第12条 市長は、第9条の協議を行う場合には、当該協議に係る後退用地等の現況を確認するための測量その他規則で定める手続を行うことができる。
2 市長は、前条第1項の協議を行う場合には、当該後退用地等を含む土地の境界を確認するための測量その他規則で定める手続を行うことができる。
2 前項の補助金の交付を受けようとする者は、規則で定めるところにより、市長に申請しなければならない。
(1) 建築主 当該後退用地等の関係権利者
(2) 当該後退用地等の所有権を有する者 当該後退用地等の賃借権、地上権その他の土地を使用する権利を有する者及び建築主
(3) 当該後退用地等の賃借権、地上権その他の土地を使用する権利を有する者 当該後退用地等の所有権を有する者及び建築主
4 市長は、第2項の申請があった場合は、補助金の交付の適否を決定し、当該申請をした者に対して通知するものとする。
5 市長は、前項の規定により補助金の交付決定を受けた者が当該整備行為を完了したと認めたときは、補助金の額を決定し、当該交付決定を受けた者に対して通知するとともに、当該補助金を交付するものとする。
(補助金の交付決定の取消し等)
第15条 市長は、前条第4項の規定により補助金の交付決定を受けた者が、次のいずれかに該当すると認めるときは、当該交付決定の全部又は一部を取り消すことができる。
(1) 虚偽その他不正の行為により当該補助金の交付決定又は交付を受けたとき。
2 市長は、前項の規定に基づき交付決定の全部又は一部を取り消した場合には、既に補助金の交付を受けた者に対し、当該補助金に相当する額の全部又は一部の返還を請求することができる。
(1) 整備促進路線
3 市長は、第1項の申請があった場合は、横浜市による舗装及び管理の実施の適否を決定し、当該申請をした者に対して通知するものとする。
(関連工事)
第17条 市長は、前条第1項の舗装を行う場合において、当該土地に存する排水設備その他の設備の工事を必要と認めるときは、当該工事をその設備の所有者の承諾を得て、行うことができる。
(路線型整備)
第18条 市長は、路線型整備を実施することが適当であると認めるときは、整備促進路線に接する土地の建築主等に対し、路線型整備の協議(以下「路線型整備協議」という。)を申し入れることができる。
2 整備促進路線に接する土地の建築主等は、市長に対し、路線型整備協議を申し入れることができる。
5 市長は、路線型整備協議が成立した整備促進路線について、路線型整備を行うことができる。
6 路線型整備協議について必要な事項は、規則で定める。
(1) 第16条第1項の舗装に係る工事
(2) 第17条の排水設備その他の設備の工事
(3) 前条第5項の路線型整備に係る工事
(後退用地等における制限等)
第20条 次のいずれかに該当する後退用地等に係る建築主等は、当該後退用地等において支障物を設置してはならない。
(1) 第14条第1項の規定により交付された補助金に係る整備行為を行った後退用地等
(2) 第16条第1項の規定に基づき横浜市による舗装又は管理が行われている後退用地等
(3) 第18条第5項の規定に基づき路線型整備が行われた後退用地等
2 前項各号に該当する後退用地等においては、当該後退用地等に係る建築主等は、規則で定める場合を除き、当該後退用地等についてその整備された形状を変更してはならない。
3 整備行為を行った建築主等は、当該整備行為に係る後退用地等において支障物を設置し、又はその整備された形状を変更しないよう努めなければならない。
(勧告等)
第21条 市長は、次のいずれかに該当する者に対し、是正するために必要な限度において指導し、又は文書で勧告することができる。
(適用除外)
第22条 この条例の規定は、次のいずれかに該当する場合には、適用しない。
(1) 都市計画法第29条に規定する許可を受けて開発行為を行う場合
(2) 宅地造成等規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号。以下この号において「宅地造成等規制法一部改正法」という。)による改正前の宅地造成等規制法(昭和36年法律第191号)第8条第1項(宅地造成等規制法一部改正法附則第2条第1項の規定によりなお従前の例によることとされる場合を含む。)に規定する許可を受けて宅地造成に関する工事(後退用地等を整備するために行う工事を除く。)を行う場合
(3) 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第4条第1項の認可を受けて土地区画整理事業を施行する場合
(4) その他市長が規則で定める場合
(令5条例4・一部改正)
(委任)
第23条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成29年7月規則第54号により同年9月1日から施行)
(経過措置)
2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例(以下「旧条例」という。)第6条第1項の規定により整備促進路線として指定されている狭あい道路については、この条例による改正後の横浜市狭あい道路の整備の促進に関する条例(以下「新条例」という。)第8条第1項の規定により指定された整備促進路線とみなす。
3 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に行った交付の申請に係る旧条例第7条第1項の規定による整備促進助成金については、なお従前の例による。
4 新条例第16条第1項の規定は、施行日以後の申請に係る土地の舗装及び管理について適用し、施行日前の申請に係る土地の舗装及び管理については、なお従前の例による。
5 この条例の施行の際現に旧条例第10条の規定により行われている協議については、新条例第9条の規定により行われた協議とみなす。
6 施行日前に行った交付の申請に係る旧条例第14条第1項の規定によるすみ切用地寄附奨励金については、なお従前の例による。
附則(平成30年9月条例第51号) 抄
(施行期日)
1 この条例は、建築基準法の一部を改正する法律(平成30年法律第67号)第1条の規定の施行の日から施行する。
(施行の日=平成30年9月25日)
附則(令和5年2月条例第4号)
この条例は、令和5年5月26日から施行する。
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