○横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例
平成26年6月5日
条例第29号
横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例をここに公布する。
横浜市将来にわたる責任ある財政運営の推進に関する条例
(目的)
第1条 この条例は、横浜市(以下「市」という。)が行政需要の高度化及び多様化その他の社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、柔軟で持続可能な財政構造を構築し、自主的かつ総合的な施策を実施するため、市の財政運営に関する基本原則、市長、議会及び市民の責務その他財政運営に必要な事項を定めることにより、市民の受益と負担の均衡を図りつつ、必要な施策の推進と財政の健全性の維持との両立を図り、もって将来にわたる責任ある財政運営の推進に資することを目的とする。
(財政運営の基本原則)
第2条 市の財政運営は、前条の目的を達成するため、次に掲げる基本原則により、中長期的な視点を持って進めるものとする。
(1) 市の歳入及び歳出の不断の見直しを通じて、安定的で持続性のある財政運営を目指すとともに、社会経済情勢の著しい変動等による市の歳入の減少又は歳出の増加が市の財政及び市民生活に与える影響を軽減するように図られること。
(2) 市の資産について、その保有の必要性を厳格に判断し、適正に管理し、及び有効に活用するとともに、将来の世代の負担に配慮した適切な水準を維持すること。
(3) 公共サービスに係る市民の受益と負担の均衡が図られること。
(責務)
第3条 市長は、市民の信託に基づく執行機関の長として、前条の基本原則にのっとり、予算の編成及びその適正な執行を行わなければならない。
2 議会は、市民の信託に基づく市民の代表機関として、前条の基本原則にのっとり、予算を議決し、予算の執行を監視し、及び決算を認定しなければならない。
3 市民は、行政活動によって得られる利益及び公共サービスが市民の相応の負担の上に成り立っていることを認識しなければならない。
(目標の設定)
第4条 市長は、第1条の目的を達成し、及び将来にわたる市民生活の安定を確保するため、横浜市議会基本条例(平成26年3月横浜市条例第16号)第13条第2号に規定する基本計画(以下「基本計画」という。)において、財政の健全性の維持のための目標を設定するものとする。
2 市長は、社会経済情勢の変化を勘案し、必要があると認めるときは、前項の目標を変更することができる。
(取組)
第5条 市長は、前条第1項の目標の達成に資する実効性のある取組を基本計画において定めるとともに、取組の進捗状況を議会に報告するものとする。
2 市長は、社会経済情勢の変化を勘案し、必要があると認めるときは、前項の取組を変更することができる。
(財政の健全性に関する比率の推計)
第6条 市長は、基本計画の策定時に、当該計画の期間における次に掲げる比率を推計し、これを議会に報告するとともに、公表するものとする。
(1) 実質赤字比率(地方公共団体の財政の健全化に関する法律(平成19年法律第94号。以下「法」という。)第2条第1号に規定する実質赤字比率をいう。)
(2) 連結実質赤字比率(法第2条第2号に規定する連結実質赤字比率をいう。)
(3) 実質公債費比率(法第2条第3号に規定する実質公債費比率をいう。)
(4) 将来負担比率(法第2条第4号に規定する将来負担比率をいう。)
(財務書類の作成)
第7条 市長は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第233条に定める書類のほか、毎年度、貸借対照表その他の財務書類を作成し、これを議会に提出するとともに、公表するものとする。
(財政運営の配慮事項)
第8条 市の財政運営は、次に掲げる事項に配慮しながら進めるものとする。
(1) 市は、公共施設によって提供する機能について、社会経済情勢の変化及び財政状況等に適合した必要性の高い機能を確保するため、既存施設の有効活用、適切な施設配置及び機能転換、運営形態の見直し並びに利用環境の改善・運営の効率化を推進するものとすること。
(2) 市は、使用料、手数料、負担金等に関し、市民の受益と負担の適正化を図るため、定期的に又は必要に応じて総合的な見直しを行うものとすること。
(3) 市は、補助金等(市が市以外の者に対して交付する補助金、交付金、利子補給金その他の給付金で相当の反対給付を受けないもの(市長が指定するものを除く。)をいう。)に関し、補助の必要性及び効果、補助率又は補助金額の適正化等の観点から定期的に又は必要に応じて見直しを行うものとすること。
(4) 市は、市民と財政に関する情報を共有し、財政に関する理解を深め、かつ、財政運営の透明性を高めるため、当該情報について、分かりやすい資料を作成し、これを市民に公表するとともに、市政への信頼性を向上させるよう努めるものとすること。
(5) 市は、円滑な資金調達に資するため、地方債の引受けが予定される金融機関等に対し、分かりやすい財政に関する情報の提供に努めるものとすること。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
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