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○横浜市議会基本条例

平成26年3月5日

条例第16号

横浜市議会基本条例をここに公布する。

横浜市議会基本条例

目次

前文

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 議会及び議員(第3条・第4条)

第3章 議会運営(第5条―第8条)

第4章 市民と議会(第9条―第11条)

第5章 議会と市長等との関係(第12条―第16条)

第6章 議会の災害対応(第17条―第19条)

第7章 議会の体制整備(第20条―第27条)

第8章 政治倫理等(第28条―第31条)

第9章 補則(第32条・第33条)

附則

横浜市会は、市民から選挙で選ばれた議員で構成される市民の代表であり、市民自治の要である。

日本国憲法は、地方公共団体の制度として、議事機関である議会を構成する議員と執行機関である長をそれぞれ住民が直接選挙するという二元代表制をとっており、議会と長とは、独立・対等の立場で、互いに尊重し、抑制と均衡を保ちながら、それぞれの特性を生かし、適切に役割を果たすことが求められている。

さらに近年、地域のことは地域が決める市民自治を実現するため、地方分権社会への転換が進められる中、我が国で最大の人口を有する市である横浜市においては、大都市特有の課題をはじめ、高度に複雑化した多くの市政課題を抱えるに至っている。

このような状況の下、横浜市会が、多くの権限を有し、かつ、責任を担う大都市の議会として、市長その他の執行機関に対する監視、政策の立案、提言等、果たすべき機能を最大限に発揮し、開かれた議会としていくためには、横浜市会の伝統を重んじながら、既存の枠組みにとらわれない柔軟な姿勢を持ち、自らの改革及び機能強化に継続的に取り組んでいかなければならない。

よって、横浜市会は、市民と市長その他の執行機関との関係において、横浜市会及び横浜市会議員が果たすべき役割等を明確にし、これを市民と共有することにより、市民の負託に的確に応える議会の在り方を常に追求し、地方自治の本旨である市民福祉の向上及び市勢の発展のため、更なる取組の推進を決意し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、二元代表制の一翼を担う、合議制の議事機関である議会及び議員の役割を明らかにするとともに、議会に関する基本的な事項を定め、市民の代表としての議会及び議員の活動のより一層の充実及び活性化を図り、市民の負託に的確に応えることにより、市民福祉の向上及び市勢の発展に資することを目的とする。

(基本理念)

第2条 議会は、市長その他の執行機関(以下「市長等」という。)と対等の立場にある合議制の議事機関であり、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策の立案、提言及び決定(以下「政策立案等」という。)に係る機能を有する機関として、市民の多様な意見等を把握し、市政に反映し得る合議体としての特性を最大限に生かすことにより、市民自治の観点から、真の地方自治を実現するものとする。

第2章 議会及び議員

(議会の役割及び活動原則)

第3条 議会は、市民を代表する合議制の議事機関としての特性を踏まえ、次に掲げる役割を担うものとする。

(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条の規定により議決すべき事件に係る議案の審議及び審査により横浜市(以下「市」という。)の意思決定を行うこと。

(2) 議案等(前号に規定するものを除く。)の審議及び審査により横浜市会の意思決定を行うこと。

(3) 市長等の事務の執行に対する監視及び評価を行うこと。

(4) 政策立案等を行うこと。

(5) 意見書の提出、決議等により、国、神奈川県、関係機関等(以下「国等」という。)への意見表明等を行うこと。

(6) 政策提携、相互理解、親善等を深めるため、国内外の都市間交流を行うこと。

2 議会は、前項各号に掲げる役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 議会活動の公正性及び透明性を確保すること。

(2) 議会としての合意形成を目指して審議を尽くすこと。

(3) 市政の課題並びに議案等の審議及び審査の内容について、市民への説明責任を果たすこと。

(4) 議会の役割を不断に追求し、議会改革に継続的に取り組むこと。

(議員の役割及び活動原則)

第4条 議員は、市民から選挙により選ばれた公職にある者として、合議制の議事機関である議会を構成する一員として、次に掲げる役割を担うものとする。

(1) 議案等の審議及び審査を行うこと。

(2) 市の政策形成に係る調査研究、立案及び提言並びに市長等の事務の執行に対する監視及び評価を行うこと。

(3) 各区の実情等の把握に努め、市民の多様な意見等を市政に反映させること。

2 議員は、前項各号に掲げる役割を果たすため、次に掲げる原則に基づき活動するものとする。

(1) 市民の多様な意見等を的確に把握し、市政全体を見据えた幅広い視点及び長期的な展望を持って的確な判断を行うこと。

(2) 議会が言論の場であること及び合議制の議事機関であることを踏まえ、市民の代表として議員間で活発に討議を行うなど、議会で十分な審議を尽くすこと。

(3) 自らの資質の向上に不断に努めるとともに、高い倫理性を常に確立し、誠実かつ公正に職務を遂行し、議会及び自らの活動を市民に分かりやすく説明すること。

第3章 議会運営

(議会運営に関する原則)

第5条 議会は、その活動の公正性及び透明性を確保し、多様な観点からの、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策立案等に係る機能を十分に発揮することができるよう、円滑かつ効果的な運営に努め、合議制の議事機関である議会の役割を果たすものとする。

(会期)

第6条 議会は、市政の課題等に的確かつ柔軟に対応し、主体的かつ機動的な活動を展開するため、十分に審議等を尽くすことができる会期を定めるものとする。

(委員会)

第7条 委員会は、議案等の審査並びにその部門に属する事務及び市政の課題に関する調査を適切かつ迅速に行い、その権能を十分に発揮するものとする。

2 委員は、委員間における討議等を通じて、その部門に属する市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策の立案及び提言を積極的に行うものとする。

(会派)

第8条 議員は、政策立案等に資するため、その理念を共有する2人以上の議員をもって会派を結成することができる。

2 会派は、政策立案等に関し、必要に応じて、会派(会派に所属しない議員を含む。)間で調整を行い、少数意見に配慮する等、合意形成に努め、円滑かつ効果的な議会運営を図るものとする。

第4章 市民と議会

(市民との関係)

第9条 議会は、市民の多様な意見等を把握し、政策立案等その他の活動に反映させるとともに、市民が議会の活動に参加する機会の充実を図るものとする。

2 議会は、市民の多様な意見等を、議案等の審議及び審査等に反映させるため、公聴会及び参考人の制度等の活用に努めるものとする。

(広報及び広聴の充実)

第10条 議会は、その活動に関し、情報通信技術の発達を踏まえた多様な手段を活用することにより、広報及び広聴の充実に努めるものとする。

2 議会は、その活動に関する広報及び広聴の内容及び在り方について常に検証し、これらのより一層の充実に努めるものとする。

(情報の公開)

第11条 議会は、市民に対し情報を公開することを積極的に進めるため、あらかじめ会議等の日程、議題等を市民に周知するとともに、インターネットによる会議等の生中継及び録画中継を実施するものとする。

2 議会は、会議等で用いた議案、資料等及び会派等における議案等の賛否を積極的かつ速やかに公開するものとする。

第5章 議会と市長等との関係

(市長等との関係)

第12条 議会は、二元代表制の下、市長等と対等で緊張感のある関係を構築し、多様な観点から、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策立案等を行うことにより、市民福祉の向上及び市勢の発展に取り組むものとする。

(法第96条第2項の議決事件)

第13条 法第96条第2項に規定する条例で定める議会の議決すべき事件は、次に掲げるものとする。

(1) 基本構想(市政の総合的かつ計画的な運営を図るために長期的な展望に立って定める構想をいう。以下同じ。)の策定、変更(軽微な変更を除く。以下同じ。)又は廃止

(2) 基本計画(基本構想に基づき市政全般に係る政策及び施策の基本的な方向を総合的かつ体系的に定める計画をいう。以下同じ。)の策定、変更又は廃止

(3) 市政の各分野における政策及び施策の基本的な方向を定める計画、指針等(当該計画、指針等の期間が3年以上のもののうち、市政運営上特に重要なものに限る。)の策定、変更又は廃止

(議会への説明等)

第14条 市長等は、予算を調製したとき、又は基本構想、基本計画若しくは前条第3号に規定する計画、指針等について基本方針、素案等を作成したときは、議会にその内容を説明するものとする。

2 市長等は、議会又は議員から、市長等が執行する事務に関する資料の提出又は説明の要求があったときは、誠実に対応するものとする。

3 市長等は、海外諸都市との間に姉妹都市、友好都市又はこれらに類する関係を提携し、又は廃止しようとするときは、議会に説明するものとする。

(監視及び評価)

第15条 議会は、議決、調査、検査その他の権限を行使することにより、市長等の事務の執行が、適正かつ効率的及び効果的に行われているかどうかについて監視するとともに、その効果又は成果について評価し、必要と認めるときは、適切な措置を講ずるよう求めるものとする。

(政策立案等)

第16条 議会は、議員及び委員会からの提案による条例の制定、決議、質疑等を通じて、積極的に政策立案等を行うものとする。

第6章 議会の災害対応

(災害時の体制の整備)

第17条 議会は、大規模災害等の緊急の事態から、市民の生命、身体及び財産を保護し、並びに市民生活の平穏を確保するため、総合的かつ機動的な活動が図られるよう、市長等と協力し、大規模災害等の発生時における議会としての体制の整備を図るものとする。

(災害時の議会の役割)

第18条 議会は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、市民の生活基盤の回復、整備等に必要な予算を迅速に定めるとともに、必要に応じて、国等と連携を図り、災害からの復興に向け積極的な役割を果たすよう取り組むものとする。

2 議長は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、必要に応じて、議員による協議、調整等を行うための組織を設置するものとする。

3 議会は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、状況を調査し、市民の意見、要望等を的確に把握するとともに、必要に応じて、市長又は国等に対し、提案、提言、要望等を行うものとする。

(災害時の議員の役割)

第19条 議員は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、議長へ自らの安否及び所在を明らかにするため、連絡するものとする。

2 議員は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、地域における被災者の安全の確保、避難所への誘導又は避難所に対する支援を行うなど、地域の一員として共助の取組が円滑に行われるよう努めるものとする。

3 議員は、大規模災害等の緊急の事態が発生したときは、地域における被災状況、被災者の要望等の情報収集に努め、必要に応じて、議長に報告するものとする。

第7章 議会の体制整備

(議会の機能強化)

第20条 議会は、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策立案等に係る機能を強化するものとする。

2 議会は、前項に規定する機能の強化を効率的かつ効果的に図るため、その活動に当たっては、情報通信技術の発達を踏まえた多様な手段を活用するものとする。

(他の指定都市の議会との連携)

第21条 議会は、大都市特有の課題の解決に資するため、他の指定都市(法第252条の19第1項に規定する指定都市をいう。)の議会との政策連携、情報交換等を推進するものとする。

(区行政との関わり)

第22条 議会は、区ごとに、当該区において選出された議員により構成される区づくり推進横浜市会議員会議を設置する。

2 区づくり推進横浜市会議員会議は、個性ある区づくりの推進に係る予算の編成及び執行並びに当該区の主要事業について協議するものとする。

3 常任委員会及び特別委員会は、議案等の審査又はその部門に属する事務に関する調査において必要があると認めるときは、関係する区長の出席を求めることができるものとする。

4 議会は、必要があると認めるときは、区行政について具体的かつ個別的に検討する場を設置するものとする。

(学識経験者等の活用)

第23条 議会は、会議等における審議の充実、市長等の事務に関する調査、政策の立案に係る機能の強化又は政策の効果の評価に資するため、法第100条の2の規定に基づく学識経験を有する者等による専門的事項に係る調査を積極的に活用するものとする。

2 議会は、専門的事項に関する調査が必要と認めるときは、議決により、学識経験を有する者等により構成される調査機関を設置することができるものとする。

(議員連盟)

第24条 議員は、特定の市政の課題等について共同して調査研究を行うことを目的として、これに賛同する議員により構成される団体(以下「議員連盟」という。)を結成することができるものとする。

2 議員連盟を結成したときは、その代表者は、規約等を添えて、その旨を議長に届け出るものとする。

3 議員連盟は、会派を超えて多数の議員が参加するよう努めることにより、調査研究がより広範にわたり、かつ効率的に行われ、その活動を通じて市政の課題等に関する議員間の共通認識を深めるよう努めるものとする。

(研修及び調査研究)

第25条 議員は、議案等の審査及び政策立案等に関する能力の向上のため、議員派遣(法第100条第13項の規定による議員の派遣をいう。)を積極的に活用するなど、必要な研修及び調査研究に取り組むものとする。

(議会局の強化)

第26条 議会は、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策立案等に係る機能を強化し、議会活動を円滑かつ効果的に行うため、議会局の機能及び組織体制の強化に努めるものとする。

(議会図書室の強化)

第27条 議会は、議員の調査研究に資するため、図書その他の資料を収集し、整理する議会図書室を適正に管理運営するとともに、その機能の強化を図るものとする。

第8章 政治倫理等

(政治倫理)

第28条 議員は、市民の負託に応えるため、政治倫理の向上に努め、公正かつ誠実に職責を全うするとともに、市民の代表として良心及び責任感を持って、品位を保持し、識見を養うよう努めるものとする。

(議員定数)

第29条 議員定数については、市長等の事務の執行に対する監視及び評価並びに政策立案等に係る機能を確保し、市民の多様な意見等を市政に反映させるなど、議会としてその責務を果たすべき議員数を考慮し、別に条例で定めるものとする。

(議員報酬)

第30条 議員報酬については、市の財政規模及び事務の範囲、議会活動及び議員活動に専念することができる制度的な保障としての性質を有すること、公選による職務の特性及び責任等を考慮し、別に条例で定めるものとする。

(政務活動費)

第31条 会派及び議員は、議会活動の活性化を図るため、政務活動費を活用し、調査研究その他の活動を積極的に行い、議会機能の強化に努めるものとする。この場合において、会派及び議員は、政務活動費の使途の透明性を十分に確保するものとする。

2 政務活動費の交付に関する事項は、別に条例で定めるものとする。

第9章 補則

(他の条例等との関係)

第32条 議会に関する他の条例、規則等の制定又は改廃に当たっては、この条例の趣旨を尊重し、この条例に定める事項との整合性の確保を図らなければならないものとする。

(見直し等)

第33条 議会は、この条例の目的の達成状況その他議会活動及び議員活動について不断の検証に努め、市民の意見、社会情勢その他状況の変化を踏まえ、必要に応じて、この条例の見直しその他の必要な措置を講ずるものとする。

(施行期日)

1 この条例は、平成26年4月1日から施行する。

(地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件に関する条例の廃止)

2 地方自治法第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件に関する条例(昭和27年9月横浜市条例第36号)は、廃止する。






-2024.01.01作成-2024.01.01内容現在
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横浜市議会基本条例

平成26年3月5日 条例第16号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第1編 総則、議会、執行機関/第2類
沿革情報
平成26年3月5日 条例第16号