○横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例
平成28年9月26日
条例第45号
横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例をここに公布する。
横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るための支援及び措置に関する条例
目次
第1章 総則(第1条―第5条)
第2章 支援(第6条)
第3章 措置(第7条―第9条)
第4章 調査等(第10条―第12条)
第5章 横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関する審議会(第13条―第17条)
第6章 雑則(第18条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、住居その他の建築物等における不良な生活環境の発生を未然に防止するとともに、それを解消し、かつ、再び発生させないための支援及び措置に関し必要な事項を定めることにより、市民の安全で良好な生活環境を確保し、もって市民が健康で安心して暮らすことのできる地域社会の実現に資することを目的とする。
(1) 建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物及びその敷地(これに隣接し、物の堆積又は放置(以下「物の堆積等」という。)が一体となってなされている私道その他の土地を含む。)をいう。
(2) 不良な生活環境 物の堆積等に起因する害虫、ねずみ又は悪臭の発生、火災の発生又は物の崩落のおそれその他これらに準ずる影響により、当該物の堆積等がされた建築物等又はその近隣における生活環境が損なわれている状態をいう。
(3) 堆積者 物の堆積等をすることにより建築物等における不良な生活環境を生じさせている者(自然人に限る。)をいう。
(4) 堆積物 建築物等における不良な生活環境の原因となっている当該物をいう。
(1) 支援 次章の規定による支援その他の横浜市(以下「市」という。)又は地域住民、関係機関その他関係者(以下「地域住民等」という。)が講ずる建築物等における不良な生活環境の解消及び発生(再発を含む。以下同じ。)の防止を図るための対策(措置を除く。)をいう。
(2) 措置 第3章の規定による建築物等における不良な生活環境の解消を図るための対策をいう。
(基本方針)
第3条 建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止は、次に掲げる基本方針に基づき推進されるものとする。
(1) 建築物等における不良な生活環境は、堆積者が自ら解消することを原則とすること。
(3) 市と地域住民等とが協力して、建築物等における不良な生活環境の発生の防止に努めるとともに、堆積者が自ら当該不良な生活環境を解消することが困難であると認められる場合は、市と地域住民等とが協力して解消に向けたあらゆる対策を行うこと。
(4) 建築物等における不良な生活環境の解消に取り組むに当たっては、支援を基本とし、必要に応じて措置を適切に講ずること。
(市民の責務)
第5条 市民は、その所有し、管理し、又は占有する建築物等において不良な生活環境を生じさせないように努めなければならない。
第2章 支援
第6条 市長は、建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るため、自ら当事者及び地域住民等からの相談に適切に応じるとともに、関係機関が相談を受けた場合においても、必要な対応がなされるよう、支援を行うものとする。
2 市長は、前項の規定により自ら相談を受けた場合又は建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止を図るために必要があると認める場合は、当該建築物等における物の堆積等の状態を可能な限り把握した上で、当事者及び地域住民等に対する必要な情報の提供、助言その他の支援を行うものとする。この場合において、生活保護法(昭和25年法律第144号)、介護保険法(平成9年法律第123号)その他の法令(条例等を含む。)の規定に基づく手続に関する情報の提供、相談、助言その他の支援で、当事者が抱える地域社会における孤立等の生活上の諸課題の解決に資するものがあると認めるときは、当該支援とこの項前段の支援とを一体的に行うものとする。
4 市長は、前項の支援を行おうとする場合は、あらかじめ、堆積者に対し必要な説明を行い、その同意を得なければならない。
5 市長は、第3項の規定により排出された一般廃棄物の収集、運搬及び処分を行うものとする。この場合において、当該一般廃棄物は、市長が指定する市の施設に搬入された一般廃棄物とみなして、横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例(平成4年9月横浜市条例第44号)第44条、第45条及び別表第1の規定を適用する。
6 市長は、前3項の規定により建築物等における不良な生活環境が解消された場合は、再び建築物等における不良な生活環境が生じないようにするため、地域住民等による見守りその他の地域社会における孤立等の生活上の諸課題の解決に向けた取組が適切になされるよう、支援を行うものとする。
第3章 措置
2 市長は、前項の指導を行ったにもかかわらず、なお建築物等における不良な生活環境が解消されない場合は、当該堆積者に対し、期限を定めて、堆積物の適切な処分その他の当該不良な生活環境を解消するための措置(以下「解消措置」という。)を行うよう、書面により勧告することができる。
(命令)
第8条 市長は、前条第2項の規定による勧告を行ったにもかかわらず、なお建築物等における不良な生活環境が解消されない場合であって、当該物の堆積等がされた建築物等の近隣における生活環境が著しく損なわれている状態にあると認めるときは、当該堆積者に対し、期限を定めて、解消措置を行うよう、書面により命ずることができる。
第4章 調査等
(調査及び報告)
第10条 市長は、支援の実施に必要な限度において、建築物等における物の堆積等の状態、当該建築物等の使用若しくは管理の状況又は所有関係その他必要な事項について、調査をし、又は当該建築物等の所有者その他関係者に対して報告を求めることができる。
2 市長は、前項の調査又は報告の結果、建築物等における不良な生活環境の解消を図るために必要があると認める場合は、官公署に対し、物の堆積等がされた建築物等の所有関係又は堆積者の親族関係若しくは福祉保健に関する制度の利用状況その他の堆積者に関する事項に関して、報告を求めることができる。
(調査結果等の提供等)
第11条 市長は、市と民生委員及び規則で定める関係機関とが協力して支援を行うに当たって必要があると認める場合は、それらの者に対し、当該支援の実施に必要な範囲内で、前条の調査又は報告の結果を提供することができる。
2 前項の規定による調査若しくは報告の結果の提供を受けた者(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、当該支援の実施に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(立入調査等)
第12条 市長は、措置の実施に必要な限度において、その職員に、物の堆積等がされた建築物等に立ち入り、その状態を調査させ、又は堆積者に質問させることができる。
2 前項の規定による立入調査又は質問を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があった場合は、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第5章 横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関する審議会
(横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関する審議会)
第13条 市長の附属機関として、横浜市建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関する審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じて、第1条の目的を達成するため、次に掲げる事項について調査審議し、又は答申する。
(2) その他建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関し市長が必要と認める事項
3 審議会は、建築物等における不良な生活環境の解消及び発生の防止に関し必要な事項について、市長に意見を述べることができる。
(組織)
第14条 審議会は、委員10人以内をもって組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が任命する。
(1) 学識経験のある者
(2) 関係団体を代表する者
(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者
(委員の任期)
第15条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。
(会長及び副会長)
第16条 審議会に会長及び副会長1人を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選によって定める。
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理し、会議の議長となる。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会長への委任)
第17条 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。
第6章 雑則
附則
この条例は、平成28年12月1日から施行する。
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