○横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例
平成26年12月26日
条例第76号
横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例をここに公布する。
横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する条例
横浜市では、郊外部のまとまりのある農地を中心に、野菜や果樹をはじめ、花、植木、畜産物が生産されるなど多様な農業が営まれており、市民へ新鮮で安全な農畜産物の供給や緑や花のある豊かな潤いのある暮らしの提供がなされている。
時代の変化に応じた自然環境と共生しながら後世に農業を継続することを基本とし、安全で安心な市内産農畜産物の提供による市民の健全な食生活の確保並びに農業経営の安定化・効率化に向けた農業振興、多様な担い手に対する支援、農地の利用促進並びに時代の変化に応じた新たな施策としての農業技術の先進化及び6次産業化などによる農畜産物の付加価値の向上につなげるため、横浜市の都市農業における地産地消の推進等に関する基本的事項を定め、横浜市、生産者、事業者及び市民が協力して取り組むため、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、横浜市(以下「市」という。)の都市農業における地産地消の推進に関する基本理念を定め、市の責務並びに生産者、事業者及び市民の役割を明らかにし、市内産農畜産物の利用促進に関する基本的施策を定めることにより、市の都市農業の振興と市民の豊かな食生活の向上に寄与することを目的とする。
(1) 地産地消 市内産農畜産物を市内で消費することをいう。
(2) 市内産農畜産物 市内で生産された農畜産物及びこれらを市内で加工したものをいう。
(3) 生産者 市内で、農畜産物を生産する者及びその組織する団体をいう。
(4) 事業者 次のいずれかに該当する事業者及びそれらの事業者の組織する団体をいう。
ア 市内で、農畜産物又はこれらを利用した製品の流通を行う者
イ 市内で、農畜産物を利用した製品の製造を行う者
ウ 市内で、農畜産物又はこれらを利用した製品を飲食として提供する者
(5) 6次産業化 1次産業としての農畜産業と、2次産業としての加工業、3次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取組をいう。
(基本理念)
第3条 地産地消の推進は、市、生産者、事業者及び市民が相互に連携し、都市農業の取組及び市内産農畜産物の情報を共有することを通じて信頼関係を構築し、互いの立場を理解し、及び協力しながら行うものとする。
2 地産地消の推進は、安全で安心な市内産農畜産物の供給を図ることにより行うものとする。
3 地産地消の推進は、生産者の経営が安定し、持続的かつ健全な発展を図れるよう行うものとする。
4 地産地消の推進は、事業者の発展に寄与するよう行うものとする。
5 地産地消の推進は、生産者、事業者及び市民の自発的な取組を尊重しながら行うものとする。
(市の責務)
第4条 市は、生産者、事業者及び市民と連携し、かつ、協力して、地産地消の推進等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するものとする。
2 市は、農畜産業等の多様な担い手への支援を行うものとする。
(生産者の役割)
第5条 生産者は、消費者の求める安全で安心な質の高い農畜産物の生産に努めるものとする。
(事業者の役割)
第6条 事業者は、市内産農畜産物を利用するよう努めるものとする。
(市民の役割)
第7条 市民は、都市農業の振興に対して理解を深めるとともに、市内産農畜産物を消費するよう努めるものとする。
(広報活動)
第8条 市は、地産地消に関する事業者及び市民の関心及び理解を深めるため、広報その他必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(生産者、事業者及び市民の情報の共有等)
第9条 市は、生産者、事業者及び市民が市内産農畜産物の利用に関する情報の共有及び相互理解を深めていくために必要な施策を実施するものとする。
(市の施設等における市内産農畜産物の利用促進)
第10条 市は、市が設置する公の施設又は市が主催する行事等において、農畜産物又はこれらを加工したものの提供を行うときは、市内産農畜産物を利用するよう努めるものとする。
(市内産農畜産物等のブランド化)
第11条 市は、生産者、事業者及び市民と連携し、市内産農畜産物等及びそれらを利用した製品のブランド化を進め、その魅力を発信するものとする。
(観光資源としての活用)
第12条 市は、観光旅行者の来訪の促進を図るため、市内産農畜産物及び水産物並びにそれらを利用した製品を観光資源として有効に活用し、多様な媒体の活用による広報宣伝の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。
(6次産業化の推進)
第13条 市は、生産者及び事業者が行う6次産業化を支援するとともに、6次産業化に対する市民の関心及び理解を深めるため、情報の提供、啓発活動等を実施するよう努めるものとする。
(食育との連携)
第14条 市は、地産地消の推進に関する施策の実施に当たっては、食育に関する施策との連携を図るものとする。
(組織体制の整備)
第15条 市は、地産地消の推進等に関する施策を実施するため、その内部組織間の連絡及び調整を十分に図るための場を設けるものとする。
(財政上の措置)
第16条 市は、地産地消の推進等に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
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