○横浜市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例
平成24年12月28日
条例第88号
横浜市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例をここに公布する。
横浜市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 堤防(第3条―第17条)
第3章 床止め(第18条―第21条)
第4章 堰(第22条―第38条)
第5章 水門及び樋門(第39条―第47条)
第6章 揚水機場、排水機場及び取水塔(第48条―第54条)
第7章 橋(第55条―第65条)
第8章 伏せ越し(第66条―第70条)
第9章 雑則(第71条―第74条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第100条第1項において準用する法第13条第2項の規定に基づき、準用河川(法第100条第1項の準用河川をいう。以下「河川」という。)に係る河川管理施設又は法第26条第1項の許可を受けて設置される工作物(以下「許可工作物」という。)のうち、堤防その他の主要なものの構造について河川の管理上必要とされる一般的技術的基準を定めるものとする。
(1) 河川管理施設 堰、水門、堤防、護岸、床止めその他河川の流水によって生ずる公利を増進し、又は公害を除却し、若しくは軽減する効用を有する施設をいう。ただし、市長以外の者が設置した施設については、当該施設を河川管理施設とすることについて市長が権原に基づき当該施設を管理する者の同意を得たものに限る。
(2) 計画高水流量 過去の主要な洪水及びこれによる災害の発生の状況並びに流域及び災害の発生を防止すべき地域の気象、地形、地質、開発の状況等を総合的に考慮して、市長が定めた高水流量をいう。
(3) 計画横断形 計画高水流量の流水を流下させ、背水、計画津波又は計画高潮位の高潮が河川外に流出することを防止し、河川を適正に利用させ、流水の正常な機能を維持し、並びに河川の環境の整備及び保全をするために必要な河川の横断形で、市長が定めたものをいう。
(4) 流下断面 流水の流下に有効な河川の横断面をいう。
(5) 計画高水位 計画高水流量及び計画横断形に基づいて、又は流水の貯留を考慮して、市長が定めた高水位をいう。
(6) 計画津波 過去の主要な津波及びこれによる災害の発生状況並びに河川が流入する海域の水象等を総合的に考慮して、市長が定めた津波をいう。
(7) 計画津波水位 計画津波及び計画横断形に基づいて、市長が定めた津波水位をいう。
(8) 津波区間 計画津波水位が計画高水位より高い河川の区間をいう。
(9) 計画高潮位 過去の主要な高潮及びこれによる災害の発生の状況、河川及び当該河川が流入する海域の水象及び気象並びに災害の発生を防止すべき地域の開発の状況等を総合的に考慮して、市長が定めた高潮位をいう。
(10) 高潮区間 計画高潮位が計画高水位より高い河川の区間をいう。
(11) 計画湛水位 堰の直上流部における非洪水時に当該堰によってたたえることとした流水の最高の水位で、市長が定めたものをいう。
(12) 河川区域 次に掲げる区域をいう。
ア 河川の流水が継続して存する土地及び地形、草木の生茂の状況その他その状況が河川の流水が継続して存する土地に類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により一時的に当該状況を呈している土地を除く。)の区域
イ 河川管理施設の敷地である土地の区域
ウ 堤外の土地(市長が定めるこれに類する土地及び遊水地を含む。)の区域のうち、アに掲げる区域と一体として管理を行う必要があるものとして市長が指定した区域
(平25条例83・一部改正)
第2章 堤防
(適用の範囲)
第3条 この章の規定は、流水が河川外に流出することを防止するために設ける堤防について適用する。
(構造の原則)
第4条 堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするものとする。
(材質及び構造)
第5条 堤防は、盛土により築造するものとする。ただし、土地利用の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められる場合においては、その全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものとし、又はコンクリート構造若しくはこれに準ずる構造の胸壁を有するものとすることができる。
(高さ)
第6条 堤防の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上とするものとする。ただし、堤防に隣接する堤内の土地の地盤高(以下「堤内地盤高」という。)が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間にあっては、この限りでない。
2 高潮区間の堤防の高さは、前項の規定によるほか、計画高潮位に波浪の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値を下回らないものとする。
3 津波区間の堤防の高さは、前2項の規定によるほか、計画津波水位に河口付近の海岸堤防の高さ及び漂流物の影響を考慮して必要と認められる値を加えた値を下回らないものとする。
4 胸壁を有する堤防の胸壁を除いた部分の高さは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以上とするものとする。
(平25条例83・一部改正)
(天端幅)
第7条 堤防の天端幅は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、3メートル以上とするものとする。
(盛土による堤防の法勾配等)
第8条 盛土による堤防(胸壁の部分及び護岸で保護される部分を除く。次項において同じ。)の法勾配は、堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満である区間を除き、50パーセント以下とするものとする。
2 盛土による堤防の法面は、芝等によって覆うものとする。
(小段)
第9条 堤防の安定を図るため必要がある場合においては、その中腹に小段を設けるものとする。
2 堤防の小段の幅は、3メートル以上とするものとする。
(側帯)
第10条 堤防の安定を図るため必要がある場合においては、堤防の裏側の脚部に側帯を設けるものとする。
2 前項の側帯は、旧川の締切りの箇所、漏水の箇所その他堤防の安定を図るため必要な箇所に設けるものとし、その幅は、3メートル以上とするものとする。
(護岸)
第11条 流水の作用から堤防を保護するため必要がある場合においては、堤防の表法面又は表小段に護岸を設けるものとする。
(水制)
第12条 流水の作用から堤防を保護するため、流水の方向を規制し、又は水勢を緩和する必要がある場合においては、適当な箇所に水制を設けるものとする。
(管理用通路)
第13条 堤防には、次に定めるところにより河川の管理のための通路(以下「管理用通路」という。)を設けるものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合、堤防の全部若しくは主要な部分がコンクリート、鋼矢板若しくはこれらに準ずるものによる構造のものである場合又は堤防の高さと堤内地盤高との差が0.6メートル未満の区間である場合においては、この限りでない。
(1) 幅員は、3メートル以上で、堤防の天端幅以下の適切な値とすること。
(2) 建築限界は、別図第1に定めるところによること。
(津波又は波浪の影響を著しく受ける堤防に係る措置)
第14条 津波区間、高潮区間又は河川が法第4条第1項の一級河川若しくは法第5条第1項の二級河川(以下「一級河川等」という。)と合流する箇所の堤防その他の堤防で津波又は波浪の影響を著しく受けるものには、必要に応じ、次に掲げる措置を講ずるものとする。
(1) 表法面又は表小段に護岸又は護岸及び波返工を設けること。
(2) 前面に消波工を設けること。
(1) 天端、裏法面及び裏小段をコンクリートその他これに類するもので覆うこと。
(2) 裏法尻に沿って排水路を設けること。
(平25条例83・一部改正)
(背水区間の堤防の高さ及び天端幅の特例)
第15条 一級河川等と河川が合流することにより河川に背水が生ずることとなる場合においては、合流する箇所より上流の河川の堤防の高さは、河川管理施設等構造令(昭和51年政令第199号)第20条第1項又は第2項の規定により定められるその箇所における一級河川等の堤防の高さを下回らないものとする。ただし、堤内地盤高が計画高水位より高く、かつ、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる区間及び逆流を防止する施設によって背水が生じないようにすることができる区間にあっては、この限りでない。
第3章 床止め
(構造の原則)
第18条 床止めは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 床止めは、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(護床工及び高水敷保護工)
第19条 床止めを設ける場合において、これに接続する河床又は高水敷の洗掘を防止するため必要があるときは、適当な護床工又は高水敷保護工を設けるものとする。
(護岸)
第20条 床止めを設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次に定めるところにより護岸を設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 床止めに接する河岸又は堤防の護岸は、上流側は床止めの上流端から10メートルの地点又は護床工の上流端から5メートルの地点のうちいずれか上流側の地点から、下流側は水叩きの下流端から15メートルの地点又は護床工の下流端から5メートルの地点のうちいずれか下流側の地点までの区間以上の区間に設けること。
(2) 前号に掲げるもののほか、河岸又は堤防の護岸は、河川の湾曲部その他河川の状況等により特に必要と認められる区間に設けること。
(3) 河岸(低水路の河岸を除く。以下この号において同じ。)又は堤防の護岸の高さは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以上とすること。ただし、床止めの設置に伴い流水が著しく変化することとなる区間にあっては、河岸又は堤防の高さとすること。
(4) 低水路の河岸の護岸の高さは、低水路の河岸の高さとすること。
(魚道)
第21条 床止めを設ける場合において、魚類の遡上等を妨げないようにするため必要があるときは、次に定めるところにより魚道を設けるものとする。
(1) 床止めの直上流部及び直下流部における通常予想される水位変動に対して魚類の遡上等に支障のないものとすること。
(2) 床止めに接続する河床の状況、魚道の流量、魚道において対象とする魚種等を適切に考慮したものとすること。
第4章 堰
(構造の原則)
第22条 堰は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 堰は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに堰に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
2 可動堰の可動部の全長が30メートル未満であるときは、前項の規定にかかわらず、当該可動部の径間長を12.5メートル以上とすることができる。
3 前項に規定する場合における可動部の径間長は、兼用部分以外の部分の径間長が25メートル以上となる場合又はゲートの縦の長さと横の長さとの比の値が15分の1以下となる場合においては、15メートル以上とすることができる。ただし、兼用部分以外の部分の可動部の全長が30メートル未満である場合においては、可動部の径間長を12.5メートル以上とすることができる。
(可動堰の可動部のゲートの構造の原則)
第26条 可動堰の可動部のゲート(バルブを含む。以下この章において同じ。)は、確実に開閉し、かつ、必要な水密性及び耐久性を有する構造とするものとする。
2 可動堰の可動部のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
3 可動堰の可動部のゲートは、予想される荷重に対して安全な構造とするものとする。
(可動堰の可動部のゲートの構造計算に用いる設計震度)
第27条 可動堰の可動部のゲートの構造計算に用いる設計震度は、0.12とする。
(1) 地震時以外の時 ゲートの自重、計画湛水位の静水圧の力(次号において「ゲートの自重等」という。)及びゲートの開閉によって生ずる力
(2) 地震時 ゲートの自重等、地震時におけるゲートの慣性力及び地震時における計画湛水位の動水圧の力
2 前項の規定により採用する荷重により可動堰の可動部のゲートに生ずる応力は、適切な工学試験の結果に基づき定める許容応力を超えてはならないものとする。
3 第1項に規定するもののほか、必要に応じ、洪水時又は高潮時における動水圧その他の可動堰の可動部のゲートに作用する荷重を計算するものとする。
(可動堰の可動部のゲートの自重)
第29条 前条第1項のゲートの自重は、可動堰の可動部のゲートの材料の単位体積重量を基礎として計算するものとする。
(可動堰の可動部のゲートの高さ)
第33条 可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、計画高水位に0.6メートルを加えた値以上で、高潮区間においては計画高潮位を下回らず、その他の区間においては当該地点における河川の両岸の堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防(津波区間にあっては、津波が生じないとした場合に定めるべき計画横断形に係る堤防。以下この項において同じ。)の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の表法肩を結ぶ線の高さを下回らないものとする。
2 可動堰の可動部の起伏式ゲートの倒伏時における上端の高さは、当該可動堰の基礎部(床版を含む。)の高さ以下とするものとする。
(平25条例83・一部改正)
(可動堰の可動部の引上げ式ゲートの高さの特例)
第34条 背水区間に設ける可動堰の可動部の引上げ式ゲートの最大引上げ時における下端の高さは、治水上の支障がないと認められるときは、前条第1項の規定にかかわらず、次に掲げる高さのうちいずれか高い方の高さ以上とすることができる。
(1) 当該河川に背水が生じないとした場合に定めるべき計画高水位に、0.6メートルを加えた高さ
(2) 計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)
(可動堰の可動部が起伏式である場合におけるゲートの構造)
第35条 可動堰の可動部が起伏式である場合におけるゲート(潮止めをその設置の目的に含む堰のゲートを除く。)の構造の基準は、次に定めるところによるものとする。
(1) ゲートの起立時における上端の高さは、計画横断形に係る低水路の河床の高さと計画高水位との中間位以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするとき、又は治水上の機能の確保のため適切と認められる措置を講ずるときは、ゲートの起立時における上端の高さを堤内地盤高又は計画高水位のうちいずれか低い方の高さ以下とすることができる。
(2) ゲートの直高は、3メートル以下とすること。ただし、ゲートを洪水時においても土砂、竹木その他の流下物によって倒伏が妨げられない構造とするときは、この限りでない。
(可動堰の管理施設等)
第36条 可動堰には、必要に応じ、管理橋その他の適当な管理施設を設けるものとする。
2 可動堰を設ける場合において、当該可動堰を操作する者の安全を確保するため必要があるときは、自動的に、又は遠隔操作により可動部のゲートの開閉を行うことができるものとする。
(平25条例83・一部改正)
第5章 水門及び樋門
(構造の原則)
第39条 水門及び樋門は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対し安全な構造とするものとする。
2 水門及び樋門は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに水門又は樋門に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(構造)
第40条 水門及び樋門(ゲート及び管理施設を除く。)は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
2 樋門は、堆積した土砂等の排除に支障のない構造とするものとする。
(断面形)
第41条 河川を横断して設ける水門及び樋門の流水を流下させる部分の断面形は、計画高水流量(舟の通行の用に供する水門にあっては、計画高水流量及び通行すべき舟の規模)を勘案して定めるものとする。
2 前項の規定は、河川及び一級河川等以外の水路が河川に合流する箇所において当該水路を横断して設ける水門及び樋門について準用する。
(河川を横断して設ける水門の径間長等)
第42条 第23条から第25条まで(第24条第3項を除く。)の規定は、河川を横断して設ける水門について準用する。この場合において、第23条中「可動堰の可動部(流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する堰柱に限る。次条及び第25条において同じ。)以外の部分(堰柱を除く。)及び固定堰」とあるのは「水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱以外の部分」と、第24条(第3項を除く。)及び第25条中「可動堰の可動部」とあり、及び「可動部」とあるのは「水門のうち流水を流下させるためのゲート及びこれを支持する門柱の部分」と、第24条第1項中「堰柱」とあるのは「門柱」と読み替えるものとする。
2 河川を横断して設ける樋門で2門以上のゲートを有するものの内法幅は、5メートル以上とするものとする。ただし、内法幅が内法高の2倍以上となるときは、この限りでない。
(ゲート等の構造)
第43条 水門及び樋門のゲートは、確実に開閉し、かつ、必要な水密性を有する構造とするものとする。
2 水門及び樋門のゲートは、鋼構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 水門及び樋門のゲートの開閉装置は、ゲートの開閉を確実に行うことができる構造とするものとする。
(水門のゲートの高さ等)
第44条 水門のカーテンウォールの上端の高さ又はカーテンウォールを有しない水門のゲートの閉鎖時における上端の高さは、水門に接続する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さを下回らないものとする。ただし、高潮区間において水門の背後地の状況その他の特別の事情により治水上支障がないと認められるときは、水門の構造、波高等を考慮して、計画高潮位以上の適切な高さとすることができる。
(水門及び樋門の管理施設等)
第45条 第36条の規定は、水門及び樋門について準用する。
2 水門は、次に定めるところにより管理用通路としての効用を兼ねる構造とするものとする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
(1) 管理橋の幅員は、水門に接続する管理用通路の幅員を考慮した適切な値とすること。
(2) 管理橋の設計自動車荷重は、20トンとすること。ただし、管理橋の幅員が3メートル未満の場合は、この限りでない。
(平25条例83・一部改正)
(護床工及び高水敷保護工)
第46条 第19条の規定は、水門又は樋門を設ける場合について準用する。
(護岸)
第47条 水門又は樋門を設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次に定めるところにより護岸を設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
第6章 揚水機場、排水機場及び取水塔
(揚水機場及び排水機場の構造の原則)
第48条 揚水機場及び排水機場は、河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 揚水機場及び排水機場のポンプ室(ポンプを据え付ける床及びその下部の室に限る。)、吸水槽及び吐出水槽その他の調圧部は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
(排水機場の吐出水槽等)
第49条 樋門を有する排水機揚には、吐出水槽その他の調圧部を設けるものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 吐出水槽その他の調圧部の上端の高さは、排水機場の樋門が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。
(流下物排除施設)
第50条 揚水機場及び排水機場には、土砂、竹木その他の流下物を排除するため、沈砂池、スクリーンその他の適当な流下物を排除する施設を設けるものとする。ただし、河川の管理上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
(樋門)
第51条 揚水機場及び排水機場の樋門と樋門以外の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、樋門が横断する河岸又は堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 第42条第2項の規定は、揚水機場又は排水機場の樋門でポンプによる揚水又は排水のみの用に供されるものについては、適用しない。
2 取水塔は、鉄筋コンクリート構造又はこれに準ずる構造とするものとする。
3 取水塔の河床下の部分には、直接取水する取水口を設けてはならない。ただし、取水口の規模及び深さ等を考慮して治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
(護床工及び高水敷保護工)
第53条 第19条の規定は、取水塔を設ける場合について準用する。
(護岸)
第54条 取水塔を設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次項に定めるところにより護岸を設けるものとする。
第7章 橋
(河川区域内に設ける橋台及び橋脚の構造の原則)
第55条 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 河川区域内に設ける橋台及び橋脚は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさず、並びに橋台又は橋脚に接続する河床及び高水敷の洗掘の防止について適切に配慮された構造とするものとする。
(橋台)
第56条 河岸又は川幅が50メートル以上の河川、背水区間若しくは高潮区間に係る堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に設ける橋台は、流下断面内に設けてはならない。ただし、河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められるときは、この限りでない。
2 堤防に設ける橋台(前項の橋台に該当するものを除く。)は、堤防の表法肩より表側の部分に設けてはならない。
3 堤防に設ける橋台の表側の面は、堤防の法線に平行して設けるものとする。ただし、堤防の構造に著しい支障を及ぼさないために必要な措置を講ずるときは、この限りでない。
4 堤防に設ける橋台の底面は、堤防の地盤に定着させるものとする。
2 河道内に設ける橋脚の基礎部は、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この項において同じ。)及び低水路の河岸の法肩から20メートル以内の高水敷においては当該低水路の河床の表面から深さ2メートル以上の部分に、その他の高水敷においては当該高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この項において同じ。)の表面から深さ1メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面又は高水敷の表面より下の部分に設けることができる。
(径間長)
第58条 橋脚を河道内に設ける場合においては、当該箇所において洪水が流下する方向と直角の方向に河川を横断する垂直な平面に投影した場合における隣り合う河道内の橋脚の中心線間の距離(河岸又は堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防。以下この条において同じ。)に橋台を設ける場合においては橋台の胸壁の表側の面から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含み、河岸又は堤防に橋台を設けない場合においては当該平面上の流下断面(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る流下断面)の上部の角から河道内の直近の橋脚の中心線までの距離を含む。以下この条において「径間長」という。)は、河川の状況、地形の状況等により治水上の支障がないと認められる場合を除き、別表第2に規定する式によって得られる値(その値が50メートルを超える場合においては、50メートル)以上とするものとする。ただし、径間長を当該式によって得られる値(以下「基準径間長」という。)以上とすればその平均値を基準径間長に5メートルを加えた値を超えるものとしなければならないときは、径間長は、基準径間長から5メートルを減じた値(30メートル未満となるときは、30メートル)以上とすることができる。
(1) 川幅が30メートル未満の河川に設ける橋 12.5メートル
(2) 川幅が30メートル以上の河川に設ける橋 15メートル
(主要な公共施設に係る橋)
第59条 前条第2項に規定する主要な公共施設に係る橋は、次に掲げるものに係る橋とする。
(1) 全国新幹線鉄道整備法(昭和45年法律第71号)第2条に規定する新幹線鉄道
(2) 道路法(昭和27年法律第180号)第3条第1号に規定する高速自動車国道
(3) 前号に規定する道路以外の道路で幅員30メートル以上のもの
(2) 既設の橋等と近接橋との距離が、基準径間長以上であって、かつ、川幅以内である場合においては、近接橋の橋脚を既設の橋脚等の見通し線上又は既設の橋等の径間の中央の見通し線上に設けること。
2 橋面(路面、地覆その他流水又は波浪が橋を通じて河川外に流出することを防止するための措置を講じた部分をいう。)の高さは、橋が横断する堤防(計画横断形が定められている場合において、計画堤防の高さが現状の堤防の高さより低く、かつ、治水上の支障がないと認められるとき、又は計画堤防の高さが現状の堤防の高さより高いときは、計画堤防)の高さ以上とするものとする。
(護床工及び高水敷保護工)
第62条 第19条の規定は、橋を設ける場合について準用する。
(護岸)
第63条 橋を設ける場合においては、流水の変化に伴う河岸又は堤防の洗掘を防止するため、次に定めるところにより護岸を設けるものとする。ただし、地質の状況等により河岸又は堤防の洗掘のおそれがない場合その他治水上の支障がないと認められる場合は、この限りでない。
(1) 河道内に橋脚を設けるときは、河岸又は堤防に最も近接する橋脚の上流端及び下流端から上流及び下流にそれぞれ基準径間長の2分の1の距離の地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
(2) 河岸又は堤防に橋台を設けるときは、橋台の両端から上流及び下流にそれぞれ10メートルの地点を結ぶ区間以上の区間に設けること。
2 前項の規定による場合のほか、橋の下の河岸又は堤防を保護するため必要があるときは、当該河岸又は堤防をコンクリートその他これに類するもので覆うものとする。
(管理用通路の構造の保全)
第64条 橋(取付部を含む。)は、次項で定めるところにより管理用通路の構造に支障を及ぼさない構造とするものとする。
2 前項の構造は、管理用通路(管理用通路を設けることが計画されている場合は、当該計画されている管理用通路)の構造を考慮して適切な構造の取付通路その他必要な施設を設けた構造とする。ただし、管理用通路に代わるべき適当な通路がある場合は、この限りでない。
(1) 高水敷に設ける橋で小規模なもの
(2) 低水路に設ける橋で可動式とする等の特別の措置を講じたもの
第8章 伏せ越し
(適用の範囲)
第66条 この章の規定は、用水施設又は排水施設である伏せ越しについて適用する。
(構造の原則)
第67条 伏せ越しは、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の作用に対して安全な構造とするものとする。
2 伏せ越しは、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げず、並びに付近の河岸及び河川管理施設の構造に著しい支障を及ぼさない構造とするものとする。
(構造)
第68条 堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この項において同じ。)を横断して設ける伏せ越しにあっては、堤防の下に設ける部分とその他の部分とは、構造上分離するものとする。ただし、堤防の地盤の地質、伏せ越しの深さ等を考慮して、堤防の構造に支障を及ぼすおそれがないときは、この限りでない。
2 第40条の規定は、伏せ越しの構造について準用する。
(ゲート等)
第69条 伏せ越しには、流水が河川外に流出することを防止するため、河川区域内の部分の両端又はこれに代わる適当な箇所にゲート(バルブを含む。次項において同じ。)を設けるものとする。ただし、地形の状況により必要がないと認められるときは、この限りでない。
(平25条例83・一部改正)
(深さ)
第70条 伏せ越しは、低水路(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る低水路を含む。以下この条において同じ。)及び低水路の河岸の法肩から20メートル以内の高水敷においては当該低水路の河床の表面から、その他の高水敷においては当該高水敷(計画横断形が定められている場合には、当該計画横断形に係る高水敷を含む。以下この条において同じ。)の表面から、堤防(計画横断形が定められている場合には、計画堤防を含む。以下この条において同じ。)の下の部分においては堤防の地盤面から、それぞれ深さ2メートル以上の部分に設けるものとする。ただし、河床の変動が極めて小さいと認められるとき、又は河川の状況その他の特別の事情によりやむを得ないと認められるときは、それぞれ低水路の河床の表面、高水敷の表面又は堤防の地盤面より下の部分に設けることができる。
第9章 雑則
(適用除外)
第71条 この条例の規定は、次に掲げる河川管理施設又は許可工作物(以下「河川管理施設等」という。)については、適用しない。
(1) 治水上の機能を早急に向上させる必要がある小区間の河川における応急措置によって設けられる河川管理施設等
(2) 臨時に設けられる河川管理施設等
(3) 工事を施行するために仮に設けられる河川管理施設等
(計画高水流量等の決定又は変更があった場合の適用の特例)
第72条 河川管理施設等が、これに係る工事の着手(許可工作物にあっては、法第26条の許可。以下この条において同じ。)があった後における計画高水流量、計画横断形、計画高水位、計画津波水位、計画高潮位又は計画湛水位(以下この条において「計画高水流量等」という。)の決定又は変更によってこの条例の規定に適合しないこととなった場合においては、当該河川管理施設等については、当該計画高水流量等の決定又は変更がなかったものとみなして当該規定を適用する。ただし、工事の着手が当該計画高水流量等の決定又は変更の後である改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。)に係る河川管理施設等については、この限りでない。
(平25条例83・一部改正)
(小河川の特例)
第73条 計画高水流量が1秒間につき100立方メートル未満の小河川に設ける河川管理施設等については、河川の管理上の支障があると認められる場合を除き、次に定めるところによることができる。
ア 計画高水流量が1秒間につき50立方メートル未満 2メートル
イ 計画高水流量が1秒間につき50立方メートル以上100立方メートル未満 2.5メートル
(2) 堤防の高さは、計画高水位が堤内地盤高より高く、かつ、その差が0.6メートル未満である区間においては、計画高水流量が1秒間につき50立方メートル未満であり、かつ、堤防の天端幅が2.5メートル以上である場合は、計画高水位に0.3メートルを加えた値以上とすること。
(3) 堤防に設ける管理用通路は、川幅が10メートル未満である区間においては、幅員は2.5メートル以上とし、建築限界は別図第2に定めるところによること。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成25年12月条例第83号)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に存する堤防又は現に工事中の堤防(既に河川法(昭和39年法律第167号。以下「法」という。)第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らないものを含む。)については、この条例による改正後の横浜市準用河川に係る河川管理施設等の構造の技術的基準に関する条例(以下「新条例」という。)第14条の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、改築(災害復旧又は応急措置として行われるものを除く。次項において同じ。)に係る堤防であって、その工事の着手(法第26条第1項の許可を受けて改築される堤防にあっては、同項の許可)がこの条例の施行の後であるものについては、この限りでない。
3 この条例の施行の際現に存する可動堰、水門及び樋門(以下この項において「可動堰等」という。)又は現に工事中の可動堰等(既に法第26条第1項の許可を受け、工事に着手するに至らないものを含む。)が新条例第36条第2項(新条例第45条第1項において準用する場合を含む。)の規定に適合しない場合においては、当該可動堰等については、当該規定は、適用しない。ただし、改築に係る可動堰等であって、その工事の着手(法第26条第1項の許可を受けて改築される可動堰等にあっては、同項の許可)がこの条例の施行の後であるものについては、この限りでない。
別表第1(第30条、第31条、第32条)
1 計画湛水位の静水圧の力の計算式
P=W0h0
(備考)
P、W0及びh0は、それぞれ次の数値を表すものとする。
P:計画湛水位の静水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)
W0:水の単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)
h0:計画湛水位に風による波浪の影響等を勘案して必要と認められる高さを加えた水位から可動堰の可動部のゲートと湛水との接触面上の静水圧の力を求めようとする点までの水深(単位 メートル)
2 地震時における可動堰の可動部のゲートの慣性力の計算式
I=WKd
(備考)
I、W及びKdは、それぞれ次の数値を表すものとする。
I:地震時における可動堰の可動部のゲートの慣性力(単位 1立方メートルにつき重量トン)
W:可動堰の可動部のゲートの自重(単位 1立方メートルにつき重量トン)
Kd:第27条の設計震度
3 地震時における計画湛水位の動水圧の力の計算式
(備考)
Pd、W0、Kd、H1及びh1は、それぞれ次の数値を表すものとする。
Pd:地震時における計画湛水位の動水圧の力(単位 1平方メートルにつき重量トン)
W0:水の単位体積重量(単位 1立方メートルにつき重量トン)
Kd:第27条の設計震度
H1:計画湛水位から基礎地盤までの水深(単位 メートル)
h1:計画湛水位から可動堰の可動部のゲートと湛水との接触面上の動水圧を求めようとする点までの水深(単位 メートル)
別表第2(第58条第1項)
基準径間長の計算式
L=20+0.005Q
(備考)
L及びQは、それぞれ次の数値を表すものとする。
L:基準径間長(単位 メートル)
Q:計画高水流量(単位 1秒間につき立方メートル)
別図第1(第13条第2号)
別図第2(第73条第3号)
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