「市民の声」の公表


詳細内容

三ツ沢公園「再整備基本構想(案)」の見直しと再検討を求めます

受付年月 2024年10月
要望区 神奈川区
事業名 市長陳情
内容分類 市民利用施設 > 公園 > 公園建設・整備
対応区分 情報提供その他(既に実施済み・お礼お詫び等)
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投稿要旨

三ツ沢公園内に2つ目の巨大な球技場を建設することに反対します。公園の利用者や地域住民が懸念する事項については、地域住民と協議し、検討してください。

新たな球技場の事業は「収益の見込める事業」になりうるのでしょうか。球技場建設が必須であるならば、他の候補地も挙げ、広く検討すべきです。

1「『三ツ沢公園再整備基本構想(案)』に至る経緯について

老朽化や建築基準法の不適合といった課題のある既存の球技場にそのまま屋根かけを行えないことは理解できます。しかしながら、球技場の改修や現位置での建て替えを「困難」と断定するには、根拠に乏しいように思います。

『令和2年度三ツ沢公園球技場改修計画検討委託報告書(令和3年2月)』では増築案 改築案が提示されており、改修を伴う屋根かけや現位置での建て替え自体は構造的にまた法的に可能であると見受けられます。

また、令和4年10月5日の「令和3年度決算特別委員会」における質疑応答では、Jリーグスタジアム基準について言及され、すべての観客席への屋根かけが必要というわけではなく、メインスタンドヘの屋根かけさえできればこれに違反しないとのこと。この裏付けとして、2021年大規模改修を行った他都市のスタジアムの例も挙がっていました。

球技場の改修や現位置での建て替えが可能であり、これによりJリーグスタジアム基準もクリアできるとすれば、わざわざ木々を伐採し、傾斜をならしてまで新たな球技場を建設する必要はないと考えます。

「市民の皆様とプロスポーツ双方の利用枠を確保するため」に新たな球技場の建設がどうしても必要なのであれば、その建設地として三ツ沢公園以外の場所も含めて比較検討するべきではないでしょうか。候補地として横浜市内の他の場所も挙げ、広く検討することを求めます。

2 三ツ沢公園再整備の基本的な考え方について

理念自体は素晴らしいものと思いますが、三ツ沢公園に2つ目の球技場を建設するというのは、この理念に沿うものでしょうか。

新たな球技場の建設により、緑地面積は減少し、地域住民の憩いの場である桜山、子どもたちが広々と遊べる自由広場は失われ、テニスコートやトリムコースは削られてしまいます。このことが「永く市民に愛される公園」に結びつくとは思えません。

基本的な考え方の第一に「スポーツのできる公園の充実」と掲げられており、『三ツ沢公園再整備基本構想(案)』にも「市民が本格的な球技場でプレーしたり、トップスポーツを観戦できる環境の整備 充実」とありますが、三ツ沢公園を訪れるのは「トップスポーツを観戦」する人たちだけではありません。日常的に利用する人たちにとって公園がどうあるべきかの視点に立ち、再整備計画を再考していただけるよう求めます。

3 市民意見募集について  協議会について

市民意見募集は実施されましたが、新たな球技場の建設を前提としたもので、その賛否を問うものではありませんでした。市民意見を聞いたというには不十分だと考えます。新たな球技場建設の賛否を問う形で、改めて市民意見募集が実施されるよう求めます。

地域住民の私たちが求めているのは、行政が検討した結果の説明ではなく、地域住民として公園づくりに参加することです。「地域住民が参加できる協議の場」を設けていただけるよう求めます。

『令和2年度三ツ沢公園球技場改修計画検討委託報告書(令和3年2月)』を見ると、「都市計画法等に対する検討」という項目内に「三ツ沢公園は第一種住居地域内にあるため、球技場を整備するには『公聴会』を開き、『住居の環境を害するおそれがない』か『公益上やむを得ない』と認められ、審査会の同意を得る必要がある」という内容が書かれています。平成4年改修時には公聴会を実施し許可を得ている、ともありました。公聴会というからには、市民を対象としたものになるのでしょうか。私たちは市民として、審査の場に参加することを求めます。

4 交通量や駐車場の問題、病院・馬術場への影響などについて 

市民意見募集で寄せられた反対や懸念の声については、横浜市は何も答えていません。

現在も球技場でサッカーの試合が行われる日は、近隣の道路が渋滞します。この上2つ目の球技場が稼働すれば、頻繁に往来する路線バスや市民病院の救急車はどうなるのでしょうか。駐車場を増やすことで公園内を走る車も倍増すると思われます。騒音問題については、病院はもちろん、音に敏感な馬術場の馬への影響も心配です。これらは地域住民にとって真っ先に検討していただきたい項目です。

つきましては、「地域住民が参加できる協議の場」において、改めて問題点の洗い出しを行い、その対策について十分に検討することを求めます。

5 青少年野外活動センターについて

横浜市のキャンプ場や野外活動センターはすでに大幅に廃止されています。子どもたちが自然と触れ合うことのできる公営の宿泊施設は現状でも足りないくらいです。現代ではとくに不足している自然からの学び、さまざまな体験の機会を奪ってしまうことは、教育の観点から問題ではないでしょうか。署名活動の中でも、公園を利用する子どもたちから「野外活動センターをなくさないで」という声が多く寄せられています。

また、公園整備の基本的な考え方に「災害時における防災機能の充実」とありますが、その観点からすれば、老朽化した野外活動センターを改修し、避難所としても使えるよう整備することこそ必要と思います。公園整備にあたり検討を求めます。

6 風致地区の意義について

三ツ沢公園一帯は風致地区として定められています。

『令和2年度三ツ沢公園球技場改修計画検討委託報告書(令和3年2月)』によると、球技場の改修や現位置での建て替えを検討している段階でも、風致地区の条件を満たすには「かなりの植栽密度となる」「生垣状にすることで必要植栽本数を確保できると思われる」とあります。これが新たに球技場を建設するとなれば、「都市において水や緑などの自然的な要素に富んだ土地における良好な自然的景観」(国土交通省)という風致地区の意義や目的を果たすことはできないと考えます。

地域住民が理解できるような説明を求めます。

7 現在の球技場の老朽化対策について

本件は現在の球技場の老朽化問題に端を発しているはずです。にもかかわらず、『三ツ沢公園再整備基本構想(案)』に老朽化対策が含まれないのは何故でしょうか。現在の球技場の老朽化対策の費用は、新たな球技場建設の費用と合わせて提示される必要があると考えます。現在の競技場の修繕事業計画の開示を求めます。

8 新たな球技場の建設地を三ツ沢公園とする必然性について

新たな球技場の建設地が三ツ沢公園でなくてはならない必然性の説明が不十分であると思います。三ツ沢公園は丘陵地にあり、その整地には経済的にも時間的にも膨大なコストがかかることが予想されます。コストの問題のみならず、地域住民の暮らしや心身への影響も計り知れません。

三ツ沢公園のレガシーとしての価値について述べられていますが、「豊かな自然環境の中スポーツできる」という魅力こそ未来に引き継ぐべきものではないでしょうか。さして広くない三ツ沢公園に二つ目の巨大な球技場が建設されれば、所狭しとスポーツ施設がひしめくようになり、その上多くの車が行き交うようでは公園とは言えません。つきましては、建設地を三ツ沢公園とする必然性について、自然環境および周辺の住環境、経済性や安全面の観点から、地域住民が納得できる説明を求めます。

9 新たな球技場建設の事業費、維持管理のコストについて

横浜市はこれまで、三ツ沢公園球技場の改修計画検討、また公園全体の再整備についての計画検討を民間企業に委託しています。全てが未定ではこのような業務委託も不可能ですので、何かしらの前提条件があるはずです。その前提に基づいた試算の提示を求めます。

公民連携の事業として進めるにしても、市民の税金による事業には変わりないので、市民として知る権利があると思います。情報公開を求めます。

回答

【1】『三ツ沢公園再整備基本構想(案)』に至る経緯について

現在の球技場は築60年以上経過しており、現在の法令に則り屋根を架けることは構造的に耐えられないため不可となります。また、既存のメインスタンドと別構造であっても機能的に一体性を有するため、現行法令に適合していない箇所の対応など大規模な改修が必要となりますが、本体の老朽化が進んでいる中で、近い将来に建て替えが必要となるため、非効率な方法となります。

メインスタンドのみ建て替える場合又は現位置で建て替えを行う場合、Jリーグの定めるスタジアム基準を満たすためには全ての観客席への屋根架けが必要となりますが、芝生に影が落ちる時間や面積が増えるため、その養生・生育期間を従来以上に確保しなければならず、結果的に球技場の稼働日数が大幅に限定されることとなります。これにより、学生や社会人などの市民の利用枠や、スポーツチームに必要な利用枠を確保できなくなるなど、現位置での建て替えについても現実的ではないと考えています。

また、三ツ沢公園は1964年の東京オリンピックをはじめ、国民体育大会、全国高等学校総合体育大会、Jリーグの開催など、公園開園以来、スポーツの聖地として多くの市民の皆様に親しまれてきました。前回もお伝えしたとおり、こうした歴史やスポーツ需要、立地特性、さらには次世代を担う青少年に夢を与える舞台となること等も考慮し、三ツ沢公園で新たな球技場を整備することについて検討を進めていきたいと考えています。

【2】三ツ沢公園再整備の基本的な考え方について

前回もお伝えしたとおり、三ツ沢公園再整備基本構想(案)では「スポーツのできる公園の充実」、「健康増進・地域の魅力づくり」、「花と緑の充実による公園の魅力向上」「災害時における防災機能の充実」を基本的な考え方としています。

なお、再整備を進めるにあたっての代替機能の確保などの課題については、現在検討を進めているところです。

引き続き、三ツ沢公園が培ってきた運動公園としての歴史を継承しながら、永く市民に愛される公園づくりを進めていきます。

【3】市民意見募集について 協議会について

現在は基本構想の案をお示ししている段階であり、新たな球技場の規模や仕様、事業費をどのように確保するかなどの具体的な計画は検討中です。

今後の計画検討の深度化に合わせ、市民の皆様へのご説明の時期や内容について検討していきます。

【4】交通量や駐車場の問題、病院・馬術場への影響などについて

令和4年度の市民意見募集でいただいたご意見に対する本市の見解はウェブページで公表しています。再整備を進めるにあたっての課題については現在検討中であり、今後の計画検討の深度化に合わせ、市民の皆様へのご説明の時期や内容について検討していきます。

【5】青少年野外活動センターについて

新たな球技場の整備に伴い影響を受ける青少年野外活動センターを含む既存の施設については、配置計画も含めて様々な選択肢を検討しています。

【6】風致地区の意義について

花と緑の充実により公園の魅力向上を図るため、桜の名所や緑豊かな環境を継承していくことについても検討を行っており、具体的には今後の計画の中でお示ししていきます。

【7】ニッパツ球技場の老朽化対策について

ニッパツ三ツ沢球技場は築60年が経過し、構造や効率性等の観点から既存の観客席への屋根架けや建て替えが困難であることから、公園内の別の位置で新たな球技場の建設について検討を進めているものです。

ニッパツ三ツ沢球技場については、必要な修繕等を行いながら引き続き活用していくこととしており、その内容については今後検討していきます。

【8】新たな球技場の建設地を三ツ沢公園とする必然性について

三ツ沢公園は1964年の東京オリンピックをはじめ、国民体育大会、全国高等学校総合体育大会、Jリーグの開催など、公園開園以来、スポーツの聖地として多くの市民の皆様に親しまれてきました。 

前回もお答えした通り、こうした歴史やスポーツ需要、立地特性、さらには次世代を担う青少年に夢を与える舞台となること等も考慮し、三ツ沢公園で新たな球技場を整備することについて検討を進めていきたいと考えています。

また、施設の配置や内容等についても様々な選択肢を検討しています。

【9】新たな球技場建設の事業費、維持管理のコストについて

新たな球技場の規模や仕様などについては未定であり、その内容に応じて維持管理の方法やコスト等は大きく変わります。今後の計画検討の深度化に合わせ、市民の皆様へのご説明の時期や内容について検討していきます。

(2)サウンディング型市場調査(対話)の実施結果に対する私たちの意見

令和4年度に実施した市民意見募集は、市民の皆様の三ツ沢公園に対する想いやニーズ等を幅広くお聞きするため構想段階から実施したもので、様々なご意見をいただきました。

その後、令和5年に実施したサウンディング型市場調査においても、三ツ沢公園の再整備に向けた様々な提案や意見をいただきました。

これらの結果等も踏まえ、施設の配置や内容、PFI等による事業手法について様々な選択肢を検討しています。

今後の計画検討の深度化に合わせ、市民の皆様へのご説明の時期や内容について検討していきます。

問合せ先

みどり環境局戦略企画部戦略企画課
    電話:045-671-4768  FAX:045-550-4093   Email:mk-kikaku@city.yokohama.lg.jp

公表内容基準日

2024年10月28日   

※上記の内容はすべて公表内容基準日時点のものであり、現在とは異なる場合があります。


この件に関するご意見等がありましたら「市民からの提案」をご利用ください。

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