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横浜中華保育園 第三者評価結果 保育分野(保育)

総括(平成29年度)

基本情報

施設名 横浜中華保育園
所在地 〒231-0023 横浜市中区山下町142
電話番号 045-651-0447
評価年度 平成29年度
評価機関 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
結果公表 2017年10月26日
結果に要した期間 5ヶ月

評価方法

自己評価
(実施期間)
平成29年6月1日~7月31日
・職員会議で趣旨を説明後、職員が個々に記入した。
・個々の自己評価をもとに、主任が意見交換をしながら項目を確認し、園長と協議し、合意してまとめていった。
評価調査員による評価
(実施期間)
平成29年9月20日、9月26日
■第1日目
午 前:各クラスの保育観察~園児と一緒に昼食をとる。
午 後:書類調査/事業者面接調査(園長)
■第2日目
午 前:各クラスの保育観察~園児と一緒に昼食をとる。
午 後:職員ヒアリング調査(主任・保育士・栄養士)事業者面接調査(園長、主任)
利用者家族アンケート
(実施期間)
平成29年7月10日~7月24日
配 付:全園児の保護者(97家族)に対して、園から手渡しした。
回 収:保護者より評価機関に直接返送してもらった。
利用者本人確認
(実施期間)
平成29年9月20日、9月26日
・訪問実地調査の両日とも各クラスの午前中の保育時間を中心に、食事、排せつ、午睡の状況、登降園の様子等を観察。
・乳児については主に観察調査、幼児については観察と食事の時間等に適宜聞き取り調査を実施。

総評(評価結果についての講評)

【施設の概要】
横浜中華保育園はJR根岸線「石川町駅」北口から歩いて8分ほどの横浜中華街の中にあります。同じ敷地内にある横濱中華学院幼稚園、小学校、中等部、高等部等とは日常的に交流しています。
横浜中華保育園は、昭和44年(1969年)4月に主として華僑の子どもたちを預かる目的で設立され、横浜保育室を経て平成25年(2013年)4月に認可保育園となりました。運営法人は、一般財団法人 横浜中華保育会です。
鉄骨造り3階建ての園舎は、見通しがよく広々としています。子どもたちは、鉄棒や砂場がある園庭や屋上で遊び、夏場にはプール遊びをしています。また、横浜中華学院のグラウンドや道場も用いています。定員は92名(産休明け~5歳児)、開園時間は7時30分~19時30分です。
基本理念は「私たちの保育園は、保護者・理事者・職員が、児童憲章とこどもの権利条例に基づきこどもの幸福を共通の立場で理解と協力を深めます」、保育方針は「一人ひとりの子どもの成長発達をすべての面にわたり援助します」「安心して働きつづけられるように保護者を援助します」「保育園の職員として自覚を持ち、専門性を向上させるように努力します」「地域の中で共同の輪を広げ、子どもたちに、よりよい環境を築いていきます」「日本や中華の文化に基づき、行事や公開保育などを、地域の方に知らせながら協力して地域の子育てに貢献します」です。

1.高く評価できる点  

●保育士の見守りのもと、子どもたちは自分らしさを素直に表現し、園生活を楽しんでいます 
保育士は、子ども一人一人に寄り添い、それぞれの個性や成長過程を大切に保育にあたっています。乳児は年齢や誕生月、発達段階などでグループ分けをし、成長レベルに合った活動を落ち着いて出来るようにしています。離乳食計画表に沿って中期食、後期食は日に2回の離乳食を提供するなど、食事や排泄などの生活面も個々の発達段階に沿って個別に丁寧に対応しています。保育士は、子ども一人一人の表情やしぐさ、言葉などから子どもの思いを把握し、言葉にして返し子どもの意向を確認しています。日本語で表現することが難しい子どもに対しても、選択肢を示したり、中国語の単語を用いたりして確認し、子どもが自分らしく園生活を過ごせるよう支援しています。幼児になると友達と話し合って鬼ごっこのルールを決めたり、劇遊びで役を作りだしたりしています。保育士は、子どもの思いを受け止め、小さな発見やできたことを誉め、子どもが自分からやりたいという気持ちで活動に取り組み、達成感を味わえるように働きかけています。園は屋外活動を積極的に取り入れていて、活動の切り替え時にも園庭や屋上で身体を動かす機会を作っています。発達に応じて運動能力を高められるよう、屋上やグラウンドでの遊びを工夫しています。2歳児からは天候が良ければ毎日グラウンドを走ります。また、室内でもリズム遊びや鉄棒、マットなどを使用して、身体を使って活動できるよう工夫しています。異年齢の交流も盛んで、行事や誕生会、屋外活動などで日常的に交流しています。観察時にも、5歳児のままごと遊びに1歳児が参加して一緒に遊んだり、2歳児が幼児の獅子舞を真似て踊る様子を見て、1歳児が籠を頭にかぶって身体をゆすったりする姿を見ることができました。
このように、子どもたちは自由に自分らしさを表現し、のびのびと園生活を楽しんでいます。

●保育士は子どもへの思いを共有し、連携して保育にあたっています 
保育方針・保育目標を玄関、保育室に掲示するとともに、職員会議や保育会議で、保育の内容が保育方針や保育目標に沿っているか、話し合っています。園長、主任は指導計画や日誌などをチェックするとともに、保育の様子を見て回り、職員が理解できているかを確認し指導やアドバイスをしています。また、子どもの人権を職員会議の議題にあげて子どもへの言葉掛けや関わり方について話し合い、意識して取り組んでいます。園長や主任、リーダーが気付いたときは、その都度指摘して改善に努めています。非常勤職員を含む全職員が実施する自己評価の「職業能力証明シート(訓練成果・実務成果)」やクラスごとに行う「園としての自己評価」にも子どもの人権についての項目があり、保育士が自身の子どもへの関わり方を見直す仕組みができています。このような取組の結果、保育士は一人一人の子どもをまるごと個性として受け入れ、人格を尊重する気持ちを持って連携して保育にあたっています。観察時には、子どものやりたくないという気持ちを尊重して子どもにそっと寄り添ったり、おもらしをした子どもをそっと別の場所に引き取ったりするなど、クラスを越えて保育士同士が連携している場面を複数確認することができました。

●子どもたちは地域との交流を通し、さまざまなことを得て、成長しています 
園は町内会に入会し、職員が、地域の清掃活動に毎月参加するなど、地域との友好関係を築くように努めています。子どもたちと地域との交流も盛んで、散歩に出かけたり商店街に買い物に行くなどして、積極的に地域の人々と接する機会を持つほか、他の保育園の子どもたちと交代で公園の清掃活動に参加したり、子どもたちが育てた苗を地域の花壇に植える活動を行ったり、加賀町交通安全協会の要請により交通安全キャンペーンに参加したりしています。また、横浜市からの依頼でイベントで龍舞を披露したり、中華街の双十節祝賀パレードに参加して0、1、2歳児は徒走隊、3歳児は手作り龍舞、4歳児は獅子舞、5歳児は龍舞と楽器演奏をしたりしています。麦田地域ケアプラザのデイサービスを訪問してお年寄りと交流することもあります。このような地域住民との交流を通し、子どもたちは社会性や自信などさまざまなことを得て、成長しています。

2.独自に取り組んでいる点 

●子どもたちが中華の文化を理解できるよう取り組んでいます 
園は中華街の中にあり、華僑や中国籍の子どもが多数在園しています。日本の保育を基本としながら、中国獅子舞や龍舞などの伝統文化や中国語、中華の行事等を保育の中に取り入れ、子どもたちが中華文化に親しみ、いろいろな文化や考え方あることを理解できるようにしています。3歳児からは、週1回中国語の時間があるほか、日常の挨拶を日本語と中国語で行うなどしています。春節(旧正月)の日には、中華街のお店を周り、みんなで歌を歌い、お祝いの挨拶をする拝年のイベントに参加するなど、中華街の行事にも参加しています。行事のお知らせなどには中国語を併記するとともに、口頭でも保護者に中国語で伝えています。また、中国語が話せる職員が、子どもや保護者に対応しています。

3.工夫・改善が望まれる点 

●園の持てる力を地域に向けて還元していくことが期待されます 
開所からの48年、園は地域と密接に関わってきました。子どもたちは地域の行事に参加し、地域住民と交流しています。地域支援としては専任保育士を配置して一時保育を実施し、夕方や土曜日、夏休みなどには地域の幼稚園児も受け入れています。また、保護者会と共催の講演会に地域で子育てする保護者に参加を呼び掛けています。このような取組をおこなっていますが、園に対する地域の子育て支援ニーズを把握する取組は具体的になく、子育て相談なども実施していないので、園としても課題ととらえています。町内会など地域との関係を活用して地域の子育て支援ニーズを積極的に把握し、夏休み時のプール開放や園庭開放、中国語での育児相談を受け付けるなど園や地域の特性を活かした子育て支援を実施し、園の持てる力を地域に還元していくことが期待されます。

●園の不審者対策を見直すとともに、保護者に園の対策を説明することが期待されます 
園は横濱中華学院と併設しているため、学校の登下校時には人の出入りも多くなっています。また、中華街の中で関帝廟という観光地に隣接しているという立地もあり、今回の保護者アンケートでも、「外部からの不審者侵入を防ぐ対策について」は満足度が低く、自由意見欄にも不安の声が複数あります。園の不審者対策について、朝夕、活動時間、午睡時などさまざまな想定で見直しをするとともに、保護者に園の対策について説明することが期待されます。